Archive for February 2009
26 February
you!
2月25日、George Harrisonのお誕生日。
この曲を聴きながら、大泣きしたことがあった、21歳の春先。
忘れもしない、福生の米軍ハウスでの夜だった。
白いソファーに座って、私は道に迷ったように泣き崩れた。
丁度、今時の季節。
もう、メチャクチャ目が腫れるくらい泣いた。
私は当時、夢遊病になったことがあった。
どうやら夜中に、ふらふらと歩いて、無意識にピアノを弾いていたらしい。
朝、目が醒めて居間に入ったら、ピアノの蓋が開いていた。
その頃は今と違って、ピアノの蓋をそのつど閉じていたのに・・・何故か、朝、誰かが弾いた形跡があった・・・椅子も引かれていて・・・それは、私が夜中にベッドから起き上がって弾いたとしか思えない。
私が最初に買ったジョージのレコードは、『DARK HORSE』、中学生。
地味なレコードだと思ったけれど、毎日聴いた。
大人になるって、厭な事!
今日は、10代になって綴ってる。
そう、ジョージは3番目のビートルだった・・・最初は。
でも・・・何番目は、無い、この人生において、順番など、本当は無いのよ。
ごめんなさい・・・ビートルズを私に語らせたら、それは、それは、大変・・・止めましょ。
大人になるって、変な事!
必要なものを求めるために、大切にしていたことを、捨てるような気持ちにならなければいけないことが、あるのですもの。
だけど、いいんだな、ジョージが。
あの目も、鼻も、口元も、髭も・・・彼の言葉は、無駄が無くて・・・
彼の音楽は鼻歌のようで・・・
いつも弟みたいで・・・
人生は大きな歯車のようなもの・・・何もしなければ、人生は平凡に過ぎて行くだろう・・・
だったかな?
本に書かれていたそんなジョージの言葉に惹かれた13歳の私は、どこにいる?
はやい夜あたり、月の闇い部分に隠れていたけれど。
ここに、いる!
新月は、魂を奪う。
私は、その、悪戯には、乗らない。
大人になるって、怖い事!
しかし、それをどこかで、ステキと思っていたのは、間違いではなかったのだろう。
怖い・・・これは、スリル・・・だもの。
i am a dark horse
running on a dark race course
i am a blue moon
since i stepped from out of the womb
i've been a cool jerk
looking for the source
i am a dark horse
センチだな。
04:03:27 |
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25 February
HOWL...!
i can not control my mind...God...please say to me, yes, i cry instead of you.
but it is not good for me.
howl...me like a wolf.
the life is not always substantial.
it is not unhappy at all.
but, the person wants to sometimes disappear.
like a today's new moon.
me...nowhere...only cry to the secret moon.
only now, i am going to lose an important THING in exchange for the future.
22:23:19 |
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路地と十字路
路地というものは、大通りとは違った風情を見せてくれたりして、好んで通り抜けたい場所である。
その路地を歩いていて、ひょっこり見つけたものが妙に味わい深かったりすると、更に喜ばしい。
でも、時には通らなければよかったと思うような路地もある・・・ああ、もう、この通りは駄目だろう・・・井戸の周りに集った人たちも、もう枯れてしまっている・・・かつては賑やかそうだったこの路地には、もはや新しい住人は入って来ないらしい・・・。
路地とはいっても、そこを通る人は、何も住人ばかりではない。
路地とは、閉じられたものではなく、次の道に繋がる通路でもある。
路地は狭いが、その向こう側には広い通りが待っていたりする。
しかし、行き止まりの路地もあるのだ。いや、そもそも行き止まりではなかった道を、封鎖してしまった路地と言おうか。
そうやって、人気が無くなっていく道のことを、今日は案じた。
ああ、そういうことなのかもしれない・・・と、その路地を通り抜けた。
何か、代謝の悪い通りなのである。風通しをよくしようとしているのかどうか、解らない。
この路地を、閉鎖的な路地と感じるのは、そこを通ろうとした者にしか解らないだろう。
そこに集い棲む者は、それに気づいてはいない。この路地を風通しのよい道にすることこそ、希望的であり、繁栄に繋がるはずなのに、路地を独占的にしてしまうことで、かえって狭めてしまう。
道は、一度狭くしてしまうと、広げることにどれほど苦労することか・・・これは、門と同じである。
広いものを狭くすることは容易いが、狭くなったものを広げるためには、時間と・・・
・・・はて、時間と、何だろう?
時間と、大人の寛容が必要なのである。
それは21世紀の世間の一角である。
私は、といえば、薔薇の園にチョーサーと共にちょっと迷い込んでみたりした一日。
それをしながら聴いていたのは、Johannes Ockeghem(ヨハネス・オケゲム/15世紀の作曲家)の世俗曲。
オケゲムのミサ曲は知られていただろうが、この世俗曲については、以前はあまり耳にされてこなかったかもしれない。
柔らかい歌(chansonと呼ぼう)は、物静かな衣擦れの音を誘ってくれる。
その場所に漂う、ひそひそとした小声の囁きの光景さえ目に浮かぶ。
ここは路地ではないが、人々が出会う場所である。
新たな出逢いがあり、出来事が起こり、或いは、秘密事もあるかもしれない。
そこで人々は自らを確かめ合い、手を握り合い、接吻し合い、物語を作るかもしれない。
物語とは、筋がある必要もない。
物を語ることが物語であり、それは社会というもののひとつであろう。
月に群雲、花に嵐。
そんな季節は、些か代謝も芳しくないものだろう、誰でも。
アメジスト、少々乱暴に扱ったかしら?
明日は少し休ませてあげたい。
いつものように、赤いガーネットの出番かもしれないわ。
私は私の赤い十字に乾杯。
十字路・・・それは、行き交う場所。
03:09:28 |
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24 February
フォザリンゲイ、女王メアリーの最期の城
相変わらず家にヒビが入るような咳で一晩過ごす。
部屋着のまま過ごそうと思っていたが、午後、編集者の方がちょっといらっしゃるとのことで、急いで着替える。
私の作業が一段落したら、今度は編集とデザイナーの方のお仕事である。そう思うと、まだ終わっていない。
ということで、咳で体力消耗なんていう地味な自分への扱いも厭なので、劇的な女の人生にでも浸ってみようかと、久しぶりにメアリー・スチュアートのことなど想う。
メアリー・スチュアート、16世紀のスコットランド女王である。45歳で他界。
スコットランドで生まれたメアリーは、17歳でフランスに嫁ぐ。彼女は洗練されたフランスの文化に溶け込み、踊り、音楽、詩作といった芸術的な分野に精通し、または乗馬や狩りを楽しむ勇敢さも持つ、文句無しのフランス王妃となった。が、彼女の夫、フランソワ2世はひ弱ときている。夫の死後、彼女は再びスコットランドに戻る。
戻った彼女は再婚する。色々な花婿候補があったにもかかわらず、彼女自ら、美貌の男性ダーンリ卿を選ぶ。しかし、この情熱的な恋も長くは続かない。彼女は男性的な別の男、ボスウェル伯に惹かれていく。
さあ、このあたりから、いよいよメアリーの運命が人間を差し置いて暴動し始める。
伯と共謀し、夫を殺害した彼女は囚われ人となる。
ところが、このような立場に産まれ、また運命というものに付きまとわれている女というものは、囚われたところで再び新たな事態が待っているものなのである。
・・・彼女は、牢番である若い貴族の子息と共に、逃亡する・・・小舟で向こう岸に渡る二人・・・変装した彼女の頭上に見える月は、妖しい眼差しだろう、いや、月など無い晩かもしれない・・・何人の男に、私は自分の心を捧げてきただろう・・・彼女は目の前の若者をじっと見つめながら思ったかもしれない・・・綺麗な顔をしたあなた、あなたは私を救い出してみせようとしてくれる、でも、あなたにそんな力があるのかしら? 今は、あると、信じてあげるわ、これは、私からあなたへの感謝として・・・でも、私はあなたを本当に信じているかどうか、解らない・・・私はもはや、人を信じるなんてことを置き忘れてしまった人間なの・・・ただ、生き延びる機会を待っているだけ、私とは、そんな女になってしまった・・・ああ、あの若い頃の私はどこへ行ってしまったのかしら? 恐れず、優雅で、才気のあった私・・・この手の中には何でもあると、信じて疑わなかった私は、一体、どこへ消えてしまったのかしら・・・?
この逃避行も、無駄だった。
彼女が最後に幽閉された城の名は、『フォザリンゲイ城』。
サンディー・デニーのいたバンド、”フォザリンゲイ”をご存知の人もおられるかもしれないが、メアリー・スチュアート最後の幽閉先が、その名の城である。
メアリーが、「姉」と呼び、彼女のことを「妹」と呼んだ英国女王エリザベスは、遂にメアリーを処刑することにする。「姉妹」の関係とはいえ、この二人の女王たち=メアリー&エリザベスは、手紙の交換こそしても、お互い顔を合わせることもなかったと言われている。
フォザリンゲイ城を出るメアリーは美しく着飾り、女王である自分の勇敢な死を晒すべく、断頭台に上がった。
最期まで、ロマンティックを忘れない王妃。それでも、いくら賢くとも、女とは、流れに背けないものなのかしら?
これを精一杯の人生と言いたいかどうかは別として、数奇な運命と自らの機会に潔く飛び込むことに躊躇しなかった女の一生に、深夜、どこか力づけられている私だった・・・
「国家よりも大切なこと・・・それは、愛。貧しきスコットランドなどに生きてごらんなさい、ええ、私はフランスの洗練を若くして知ってしまい、その後、またこのスコットランドの不毛に移植された花です。私は懸命に女王たる役目を果たそうと必死になりましたわ・・・でもね、Risaさん、周囲はそんな私の孤独を、ほんの少しも理解してはくれなかった。私は姉であるエリザベスの国土、英国に泣きつく事をしないための策を粗野な男達と共に幾度も考えなければなりませんでした。ですが私は恋がしたかった・・・本当の恋があれば、私は国家も捨てられると思った時期がありました。いいえ、嘘です、国家も恋も、欲しかった・・・これが真実でしょう。国家と恋を得れば、エリザベスの幻から解放されるとも感じましたわ・・・しかしね、両者を手に入れることは、難しかった・・・ごらんなさいな、エリザベスを。彼女は国と恋をした、厳しく自分を戒めるように、あの人は男に心をゆるすということをしなかった。だからあくまで首を切り落とされるようなことはなかった。あの人だって、相当でしたのよ・・・でも、寂しい人、彼女は私のように、自由に感じるままに生きる事はできない人よ、堅苦しい使命や見栄ばかり張って、心を凍結させてしまう。凍結させるということは或る意味ではとても気のきいた遣り方でしょう、それくらいの気構えがなければ、よい仕事はできません、女には。哀れを感じるのは自分の部屋だけ、彼女はそういう我慢のできる人でした。恐らく、彼女は私より一枚上手だったのです。でも、彼女には、他人(ひと)から借りてきた魔術こそあっても、私のような・・・私ほどの浪漫は無かった・・・おやすみ、Risaさん、眠れる城、フォザリンゲイより・・・メアリー」
・・・と、このようなメアリー女王の声が聴こえたような気持ちになって、私もおやすみなさい。
フォザリンゲイ・・幻の2ndが、発表されるとかされたとか?
メアリー・スチュアートの亡霊あたりと寄り添って、久しぶりにトラッド&フォークに耳、傾けたい今日この頃。
..* Risa *¨
03:33:52 |
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23 February
PEARL & LOVE
日々、咳ばかりしていて、ベッドに入ってから、ほとんど眠っていない。
咳のおかげで、家にヒビが入るのではないかとさえ思える。
全くひどい。躯はやはり消耗しているようで、浮かない。微熱もある。
ただ、遣らなければならないことだけにはよく集中していた。
ゲラのチェック、終了。
シンプルで綺麗な頁となりそうだ。
フォントも微妙に変わった印象で、よい。柔らかく繊細なイメージだが、どこかにピーンとした緊張感があるような。
初版を見る時も、そう遠くない。
さしあたり、明日は雨音を聴きながら、ゆっくりしていようか。
夜、少し前にいただいた、真珠のクリームでマッサージする。
真珠のパウダーが入っているという。
サラッとしていて、とても馴染みがよい。
ほんのりと甘やかな香りが私の皮膚に溶け込んだ。
昔、好きだった、千歳飴の匂いに似ている気がする。
真珠のパウダーは、食用とされてもいるとか。
唇に塗ってみれば、なめることになる。
明日の晩は、唇をもマッサージして、ペロッとなめて、躯の中にも入れてあげようか、真珠のパウダー。
今?
眠りの森に入り込みたい。
眠りの森で、お菓子の家ではなく、真珠でできた家を見つけ、そこに入り込む夢でも見たいわ。
私は白くスベスベした扉を撫でるようにして押し開ける・・・テーブルがあって、そこにはフルーツ皿が乗っている・・・苺をひとつ摘んで食べるが、手が赤く濡れてしまう・・・ふと見ればフィンガー・ボールがあって、指を洗いながらその中を覗けば・・・・・・
しかし、今宵も、家にヒビが入るような咳に悩まされることは、解っている。
2月22日。
この日がくると、毎年想う事があるが。
ここに、2月22日と綴っておけば、よい。
PEARL & LOVE
..* Risa *¨
03:47:46 |
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