Complete text -- "about 『YES』"

22 March

about 『YES』



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 著書『YES』の通販のお知らせです。
 お値段は1500円+送料手数料200円です。

 御注文はこちらまで。

 御注文くださった方の個人情報は、当然、厳守させていただきます。

 今日もご注文を賜りました、ありがとうございます!


 さて、今日はこの『YES』に綴られている作品の中から、少しだけ抜粋してご紹介させていただきます。
 というのも、「どんなことが書かれているのですか?」というご質問などもいただいたので、ちらっとお応えさせてくださいね。
 ・・・そう、マリアンヌ・フェイスフルも先日web上に新譜"Easy Come, Easy Go"のlyricsをアップしていたのですもの・・・私もお見せいたします。

 それでは、以下は、本書のご案内です。


   *

 
 何かを発掘するような行為をつづけていると、ふと、自分が透明になっていくような気がするわ。
 透明とは言っても、消えてしまうわけではなく、私は薄く軟らかい皮に覆われた蛹のような存在として椅子にすわり、コバルト・ブルーの大きなヴェールに守られながら、躯の一部に神経を向け、蒸溜物の見定めをする。
 視線を移した時、そこに見るのは、流れるようなドレープの、ほんの一瞬の、揺れ。
 シガレットに火をつけながら、ヴェールの外のことに気をつけてみる。
 今日のように、巨大な低気圧が通り過ぎていく一日は、全てが水中の出来事のように思える。
 私が在るのは、ヴェールの中のはずであるのに、外を想ったとたん、ここが水槽の中に似た世界に豹変する。
 私は浮き、横に運動し、ひとつの中心であったはずの点は、斜めに移動し、平行に傾いていく。
 その傾きとは反対の方向へ、シガレットの煙は流れ、私から遠ざかる。  
 シガレットを消した。
 すると、私を囲んでいたものは水槽ではなく、再び流れるようなコバルト・ブルーのヴェールとなる。やや、スモークされた、グロッタのような。
 グロッタ……ここは、洞窟か、それとも、胎内か?
 雨のせいかもしれない。
 咽せるような、怯えるような、足許の水たまりに気配りしながら、女は旅をしようとする。
 現在は、このコバルト・ブルーのヴェールの中に静止しているが、想像の彼方で、女は旅に出ようとする。
 女は、乗り物を選ばない。
(つづく)

                      ~「グロッタ」~ より

   **


 彼が言った。
「ここの夏は通り過ぎた、子供たちの声が消えたこの街で、僕は何を見るだろう? そして何を想うだろう?」
 彼女はこのように応える。
「時折、濡れた新聞がどこかから飛んで来て、私につまらない記事を押し付けるの。印刷の文字は崩れかかっていて、本当に崩れてしまう前に何とか記事を残そうとして、インクを私の腕や足にTATTOOのように刻んで去っていくわ。虫眼鏡でないと見えないくらい小さな文字を刻まれて、私は三面記事か安っぽい広告にでもなったように佇んでいるというわけ」
(つづく)

                      ~「土曜の午後、ドライヴを」~ より

   ***


 その他、「青春の光と影」、「スウィート・ジェーンの朝の光景」、「黄金色とメランコリー」など、物語や日常的な作風・・・
 はい(yes)、『YES』は、散文、詩、fairy tale、ダイアリー、LOVE、そして私が生涯を通じて寄り添っていたい音楽家(レノン、ディラン、ストーンズ、ラヴェル、ドビュッシー・・・etc)、そして、旅について綴った作品です。
 
 過去このpageにアップさせていたものもありますが、それらについても些か筆を加えたりしております。

 が、この本に載せることになったものは、もはやここのpageには記録されてありません。

 それらは、皆、本の中で、改めて描かれ、生きることとなりました。



 sending my all LOVE...


 ..* Risa *¨





01:53:50 | mom | | TrackBacks
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