Archive for May 2009

30 May

ジュジュと引力



 雨の中、車は走る。
 車内に響くのはジュジュ・ミュージック・・・サニー・アデ・・・ここのところ、ずっと車の中はこれである。
 赤信号で停止する。
 すると、ワイパーの規則正しい動きの音とウィンカーのカチカチとジュジュ・サウンドが見事に混ざり合い、精妙なポリリズムを醸し出す。
 ジュジュの上に乗ったワイパーのリズムが4拍子、ウィンカーは2拍子、だけど、お互いのビートはズレて走る、私は交差点で停止している、幾つもの時計が動いているみたい。
 面白くなる。
 なので、わざわざ、信号で止まる度に、左右に曲がる合図を出す、ほんのちょっとの道草だわ・・・。


 帰宅して夕刻、窓の外を眺めれば、樹の葉から滴り落ちる雨の雫は白く。
 それは、まるで降り始めの雪のように、静かに慎重に。
 だが、それらがたった今まで居た場所は、緑の葉の中、雲の中ではない。
 彼らが空を覆う雲の中に居たのは、もっとずっと前の時刻のことだろう・・・それらは今、緑の眼の中で溢れようとしている。
 そこで、考える。
 これが季節外れの・・・初夏に降る雪だとしたら、どんなに素敵だろうと。
 そんな奇怪なことがもしもこの世に起こることがあったなら、私はそのような日にこそ、ひっそり息をひきとりたいと想像した。


 初夏に降る雪か・・・
 きっと、シャーベットのように美味しいだろう。

 雨は明日も降るかしら?
 それを知ったところで、どうなることでもない。

 だって、引力なのですもの。


 よい週末を!


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 『YES』桜井李早:著/MARU書房

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 ..* Risa *¨

 



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28 May

"a-Maying"の夜の詩



 こんばんは、思ったので、させてください。

 先週の土曜日に行われた私のイベントに遊びにきてくださった皆さんのお記憶が薄れないうちに、あの晩、私が歌わせていただいた曲の歌詞をここにあげさせてください。
 主に曲が先に仕上がりますが、その後、歌詞をつけた日付が記録してあるので、その日付もついでに・・・。


   *


       五月のマリア          1995年1月18日/music 
                           1月24日/lyric


   いちばん近い 夢をつかんで
   気流の群れが 太陽と交わる

   地上のことなど忘れて
   陽射しに身を委ねて
  
   立ち止まらず 逢いに行くわ
   五月のマリアの魔法に 乾杯しましょう
   生まれかわって


   光を浴びた あなたの影が
   扉を開く 私を見つめてる

   翳りを知らない瞳に
   呪文を唱えたなら

   振り向かずに 逢いに行くわ
   五月のマリアの魔法で 踊りましょうか
   生まれかわって





       ミネルヴァ           1995年7月29日/music & lyric


   午後の鐘は どこまでも遠く
   雨の橋は 空の上高く・・・la la la
   夏至の日には ロビン・フッド
   月の光 ほうばる

   ミネルヴァの森を照らす 星のロンド
   ここに来れば あきらめなど消えてしまう

   伝説は塵になり 輝く水に戻る・・・


   埋められた夢から えぐり出した
   居眠りの数だけ 昼はつづく


   高い塔の 彼方から響く
   空を盗む 銃声のように・・・la la la
   夏至の日には ゲリラたちが
   鎧ぬいで 羽ばたく

   ミネルヴァの森を照らす 星のロンド
   ここに来れば 汚れさえも消えてしまう

   伝説は塵になり 輝く水に戻る・・・

   ミネルヴァの森を照らす 星のロンド
   ここに来れば 悲しみなど消えてしまう

   伝説は塵になり 輝く水に戻る・・・





       ピカレスク           1996年4月12日/music & lyric


   ピカレスク 陽気な歌で 明日のあなたを映せ
   ロマネスク それは名も無い 私の友だち

   嬉しい知らせが あなたの肩を 軽くたたいて 呼んでる
   滑り出す冒険の船には 間に合う 今ならば

   優しさが 降りてくるとき
   予言は笑い あなたを癒す


   ピカレスク 陽気な歌で 明日のあなたを映せ
   ロマネスク それは名も無い 私の友だち

   数えることなど 何も無いでしょう たゆまず 強く 急がず
   安らぎもタブーもあるがまま 天に 委ねたから

   優しさが 降りてくるとき
   私は耳を澄ましていたい


   ピカレスク 陽気な歌で 明日のあなたを映せ
   ロマネスク それは名も無い 私の友だち

   島は遠ざかり 海はサファイア さよなら 急な坂道
   カナリア色の風に守られ 二度とは戻らない

   優しさよ 私に宿れ
   空と海とが 交わる朝に



   **


 これらの詩を書いていた頃の私は、優しく在りたかった・・・今、これらを真顔で突つけば、「甘いもの」、という見方が正直なところだけれど。
 一見、優しい顔をしているように見えることもある私だが、内心はどうか・・・優しさは、とても若い頃の私の仮面だった。
 30を過ぎたのだ、その頃。
 で、一度、本気で、優しい女になりたくなった。
 それは20代の私を育ててくれた環境への感謝、そして仕事(労働)というものによって感じた何らかのことに対する内省、または、世の中への「疑」、それでもひとまず得ることもできた充実・・・などが、一種の解放のように、押し寄せていた時期だった。
 そう、私は優しくなった。
 が、やはり、優しさだけでは、出来ない「作業」がある。
 あれは、「解放」とまでいかない、ただの「快方」のひと時だったに過ぎない。

 『YES』は、私の優しい時代の物語。

 しかし、この『YES』が仕上げられるまでの約一年の間には、病んだこともあった。

 これから、まさに、再び病むでしょう。
 が、それが、どうした?
 若干の病など、何度もあったじゃない。

 躯が動きそうに無い時、私は、或ることをする、或るものと向かい合う。
 すると、足は軽くなり、腕は高くあがり・・・
 私は、奴隷から、解放される。


 "i am an instant writer
 just add water and stir"



   ***

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26 May

5月23日/ありがとうございました!



 Yoshiki&Risa

 SpaceOddity

 YoichiAoyama

 sakana

 MorioAgata

 Agata&Risa1

 Agata&Risa2


 5月23日、"Going a-Maying"と名付けさせていただいた、私の著書『YES』の出版記念イベントにお集りいただいた多くの方々、本当に、ありがとうございました。

 夕立さえ招いた夏に似た陽気。
 広いとはいえないスペースのMARUの店内はとても賑やかで、私はこの日、白いシャツを羽織っていたのだけれど、その後それを脱ぎ、潮音グッズのキャミソール姿になった。
 いつも通り、そんな気分だった、最初は。

 ところが、乾杯の後、トップバッターで演奏してくださった青山陽一氏の雰囲気に誘導されるように、気持ちが動き出した。
 しかも青山君の粋な計らい・・・それは、氏がボトルネックを手にしながら、私がBrian Jonesを好きだから・・・とお話し始めて(実は、もしや"Little Red Rooster"かしらん? と思ったのだけれど)、私への贈り物として、ストーンズの"Ruby Tuesday"をカヴァーしてくださったのである。
 そのようなわけで、私は次に4曲ほど歌わせていただいた。

 1曲目 : "Space Oddity"/~by David Bowie(これはチェリーのバンジョーで)
 2曲目 : "五月のマリア"
 3曲目 : "ミネルヴァ/Minerva"
 4曲目 : "ピカレスク/Picaresque"
 
 2曲目以降は、詞も曲も自作の作品で、かれこれ十年以上前にライヴをしたり、録音した作品。"五月のマリア"こそ、昨年夏にちょっと機会があってステージで弾き語らせていただいたが、他の2曲は、本当に久しぶりに披露させていただいた。
 sakanaのpocopenさん&青山氏は"Space Oddity"のコーラスでも参加してくださった。

 そのsakanaのおふたりは、うっとりするような演奏・・・私は自分の演奏を終えた後だったので、もう、ただただおふたりの音楽に身を委ねていた。
 pocopenさんは、『YES』に素敵な推薦文を書いてくださったが、私は彼女の精神と音楽に対する心の向け方に共感してしまう、このことは何度もこのpageに綴ったかもしれない。だが、あの優しいpocopenさんの表情の奥深くには、とても神聖なものが宿っているだろう。ね、pocopenさん、白い鳩を抱いて生きていきましょうね・・・。

 最後に出演してくださったのは、あがた森魚さんである。
 氏は、私にとって、大錬金術師。alchemist/alchemy・・・錬金術とは、「賢者の石」を創ることであり、それによって不老不死となりえると信じられた技術だが、これは中国や日本で言われた仙人になるための秘薬を創る修行にもよく似た伝説。しかし、どちらも化学や医学の面で進化した。異なる卑金属を融合することで黄金を創るとも言われた夢の化学でもある。
 そう、あがたさんも憶えていてくださったのだけれど、これももう、十年以上も前の或る晩、渋谷かどこかで打ち上がり、遅くまで飲んでいた時、あがたさんと私は錬金術のお話をしたことがあったわ・・・あがたさんは、ジル・ド・レイのことをおっしゃり、私はパラケルススの名前を、それから、カリオストロのこと・・・。
 そういうお話をされるあがたさんこそ、錬金術師、魔術師だと私は感じた晩だった。
 23日の晩も、あがたさんは、魔術師になった。最初はずっと静かな面持ちで映像を撮ったり、ソフトドリンクを飲んでいらしたのだけれど、演奏が始まり、進むにつれ、それはもう、魔術師がマントをサッと広げるように大変貌する。
 脇で観ていた私など、「ah......」と感激していたのだけれど、つい、立ち上がって乱入させていただいてしまった・・・。


 雨はあがり、時刻は22時半頃だったかしら? 全てが終了したのは。


 今月の半ば過ぎに、突然体調を崩され、入院してしまったMARUのオーナーであり私の著書の編集をしてくださった三島悟氏がこの晩、ご不在だったことは非常に残念だった。
 三島さんは、このイベントをとても楽しみにしてくださっていたのである。が、その三島さんも、今日(5月25日)には退院なさったということである。よかった!


 長い時間、一杯になった店内は、ちょっと窮屈であられたかもしれませんが、足を運んでくださった皆さんのおかげで、素晴らしい五月の夜となりました。
 心から、感謝させてください。

 そして、あの十数年前に、私が自ら封印してしまった感のあった楽曲たちが、こうして2009年に再び生き返ることができたのは、5月23日にお会いすることができた、たくさんの方々のおかげです。


 追記 : いただいた数々のpicの中から8枚をこのpageに載せさせていただきましたが、他の写真は私/RisaのMySpaceのpage の「写真」の場所にアップしてみました。



 '09-5/23-MARU



 5月25日、昼下がりに車を走らせた。
 風は緩やかで、私は窓を開けてその風が連れてくる空気の香りを味わった。
 味わいながら、不意に想い出した、今から18年前、天草、長崎、佐賀を旅した時のことを。
 それは丁度、18年前の今頃のことで、私は天草の海で貝殻を幾つか拾った。
 その貝殻たちは、今も私の家のあちこちに置かれている。
 ・・・今日の空気は、あの旅で感じた空気と同じだ・・・そう感じた。
 棚にしまわれたアルバムの中の一枚の写真に写った自分の姿が目の奥に浮かんだ。
 海辺で裸足になっている私である・・・なかなか暮れる気配のない太陽の光を浴びて、ぼんやり霞んでいるような私の姿である。笑顔の私である。
 しかし、人生の一日というものは、二度と戻らない。
 ただ、先へと、進んでいくだけ。

 "do not look back"と言いたいこともあるが、記憶というものは、新たに表現されることで、別の正体となり、再び生命を授かる。


 私はこの5月から夏至までの夕刻が、とても好きである。


 sending my lots of LOVE to you.


 ..* Risa *¨





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22 May

blowing wind, and i am here...



 初夏のような気候。
 風は強く、私はまったりと目覚めたけれど、完全に目覚めてしまうと階段を登ったり降りたり。
 洗濯機を回しながら、朝食の用意、今朝はハムとオニオン、チーズのトーストと珈琲。私はミルクも飲む。
 買い物に出かけ、歌レッスン。
 チェリーは夕刻からギターレッスンに出かけるが、その前に食事をするとのこと。
 17時半、ポークとキノコで作るドリアの準備。
 18時半、ドリアが焼き上がり、私はビールを飲みながらいただく。
 その後、ひとりになり、ふっとひと休み。
 思ったより休んでしまったか・・・しかし、その間、Risaは宇宙にいたような気もするが・・・。
 23時過ぎ、チェリーが帰宅。
 厚揚げを焼いている彼であり、お蕎麦を茹でている彼である。

 それを横目に、ひとつ原稿を書き上げる、今回は少し、理屈っぽいか? いいえ、これは私のひとつのスタイルでもあるようだが、不老不死の妖精か魔女としては、委ねることにしましょう・・・送信。
 
 作業を済ませ、厚揚げ&お蕎麦、少々摘みながら、今、ゆっくりと飲んでいる。
 夢に溶けるために。


 ・・・ね、私は薔薇色のゴーシュね・・・デルフォイにひっそりと咲く・・・


   *
 
 ここからはお知らせです。

『YES』出版記念パーティー&ライヴ / "Going a-Maying"のご予約は終了いたしました。
 たくさんのご好意に、感謝させていただいております、ありがとうございます!
 23日は予約してくださった方のご入場が優先されるようです。到着順にご入場ということになるようなので、くれぐれも18時にお出でくださることをお薦めさせていただきます。

 ですが、お店は当日も受け付けてくださるようです。
 なので、今宵も、詳細をアップいたしますね。

『YES』出版記念パーティー&ライヴ / "Going a-Maying"
 5月23日(Sat.)
 出演ミュージシャンは、青山陽一、sakana、桜井李早+桜井芳樹
 スペシャルゲスト / あがた森魚
 開場 / 18:00
 開演 / 19:00
 前売 / ¥2000
 当日 / ¥2500
 場所 / MARU(東京都東村山市野口町1-11-3 tel 042-395-4430)


 そして、著書『YES』の通販のお知らせです。

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 『YES』桜井李早:著/MARU書房

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20 May

5/23 "Going a-Maying" 『YES』出版記念パーティー&ライヴ



 5月23日の『YES』イベントに数多くご予約いただき、ありがとうございます。

 昨日、ご予約は当日までとアップさせていただきましたが、MARUはそれほど広いスペースではありませんので、ご予約をいただくのは、5月21日までとさせていただくこととあいなりました。

 ですので、遊びにいらしてくださる方は、はやめにご連絡くださいませ。
 そして、お客さまには、当日、18時にお出でくださることを、できるだけお薦めいたします。
 
 ただ、キャンセルもある可能性もございますので、お店の方では、23日当日まで、お電話にて受け付けてくださるご様子です。

 御来場、お待ちいたしております。


『YES』出版記念パーティー&ライヴ / "Going a-Maying"
 5月23日(Sat.)
 出演ミュージシャンは、青山陽一、sakana、桜井李早+桜井芳樹
 スペシャルゲスト / あがた森魚
 開場 / 18:00
 開演 / 19:00
 前売 / ¥2000 (ご予約は月曜日を除き、18:00以降、直接、お店の方に電話でお問い合わせください)
 当日 / ¥2500
 場所 / MARU(東京都東村山市野口町1-11-3 tel 042-395-4430)


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