Archive for 11 February 2009

11 February

恋は



 
 恋は宇宙的な活力です。

                     夏目漱石


 恋は罰である。私たちはひとりきりでいることができなかったがゆえに罰せられる。

                     ユルスナール


 恋は架空の物語だが、快楽がそれを真実の歴史にする。

                     ボーマルシェ


 
「恋は」で始まる文章をつらつら浮かび上がらせてみたが、案外、この「恋は」で始まる時点で先が見えてしまい、つまらなくなる。

 だが、やはり、漱石はいいな・・・フランス人などより、よほど希望的ではないか。
 あれほど、晩年は世間と人生に辟易していたにもかかわらず。


 しかし、この漱石に勝るとも劣らない希望的な言葉がある。


「恋は稲の苗のようなものだ。他の場所に移植されても生育する」
                    
 これは、マダガスカルの格言であるらしい。
 


 よき恋とは、何も人間相手である必要はないが、「宇宙的な活力」と言われれば、無いより有った方がよろしいのだろう。
 特に移植する必要の有無は人それぞれかもしれないが。

 
 そういうあなたは、何なのさ?!
 と、質問されるなら、お応えいたしますわ。
「はい、私は今日も、惚れていた。名付けてグラックという男の文章に」
 それで? 
 と、再び質問なさるなら、更にお応えします。
「ええ、宇宙的な活力に、少しだけ触れたような気がします」


 こういう女を妻とした男は、今、ギターを弾いている。



                     漱石にならいて





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