Archive for 13 February 2009

13 February

BLOSSOM



 


 Miki&Risa801


 Miki&Risa802



 歩いているうちに雨が降っていた。私はつばの広い帽子を被っていたので、自分が濡れていることは解らなかった。が、雨が、塀の上や地面に落ちる音が微かに聞こえていた。そして灰色の空と灰色の路面は、その雨の色を映し出さない。
 雨の音や色がはっきりしたのは、私が吉祥寺の駅を出た頃だった。

 寒いという人もいれば、暖かいという人もいる2月11日。
 新作『BLOSSOM』をリリースしたロンサムストリングスのライヴ、マンダラ2は、思ったよりずっとたくさんの人が足を運んでくださった。
 18時半、私はこの日、物販をするために入り口近くにいた。扉は開いている。外気を連れて開場とともに入場してくださるお客さんたちとご挨拶しながら。
 そうして感じた。
 確かに、夕刻の一雨が過ぎてから、暖かくなったらしい・・・。

 やがて開演となり、扉が閉まれば更に暖かく感じられるお店の中である。
 コクのある音色が響く。レコ発のライヴだからといって、特別なわけでもないいつも通りの空気感が漂う。
 この人たちの演奏には、不動の魅力がある。不動とは、そこに余計な情というものを添えることなく安定した音楽を提供することができるという品質の良さと言おうか。
 ライヴの楽曲は新作からの作品が多かった。まだお聴きになられていない方もあるかと思うが、この晩のライヴにお出でになれなかった方、是非『BLOSSOM』をお手にとられて鑑賞していただけると嬉しい。
 一言ご紹介させていただくなら、『BLOSSOM』に含まれている「Inbetweenies」、オリジナルはIan Dury & the Blockheadsだが、このパブ・ロックの魅力をロンサムが如何にアレンジしてみせたかは、聴きごたえがある。オリジナル曲をご存知ない方もいらっしゃるかもしれないので、下に取り上げておきますわね。

 
 


 パブ・ロックと一口に言っても、色々なバンドがある、Brinsley Schwarz、Dr. Feelgood・・・。このIan Duryが'80年代に来日した時は、すっ飛んで観に行った・・・そしてウィルコ・ジョンソンのギターには痺れたな・・・Dr. Feelgoodはブルース色豊かなバンドだったが、このBlockheadsと一緒に音を出すウィルコは曲芸師のようだった印象がある。ライヴはどこか誇りっぽさと呑んだくれ感があり、私はその頃20代前半だったが、この凄くクールなコンサートのことは生涯忘れられない。今、私の周りにいらっしゃるミュージシャンの方々には、この来日公演を鑑賞された人たちがたくさんおられるはず。勿論、ロンサム/桜井もその中のひとりである。
 ロンサム・ヴァージョンの「Inbetweenies」は、先週の土曜日の朝、ピーター・バラカン氏のラジオ番組でもオンエアーされたらしい。因に、バラカン氏は、ロンサムの後にオリジナル曲もオンエアーされたとか。
 で、11日の晩のロンサムの演奏はといえば、yap! so cool...
 

 この夜は、近頃お顔を見なかった方にも何人かお会いした。
 中でも、十数年ぶりにお会いできたMikiさん(昔はc.. Mikiとも呼ばれた人!)は、懐かしかった! 川口義之氏も観にきてくださっていたのだが、かつてのMr.Christmasのメンバーが今も健在で何より何よりでござい、とばかりにお話、しばし、盛り上がりまして候。

 そしてバレンタインデーも近いこともあり、知恵さんからは、ロンサムのメンバー皆さんにチョコレートの贈り物が。名古屋の妙香園というお茶屋さんの抹茶のチョコレート・・・ああ美味・・・ええ、千恵さん、私もひとつ、いただいてしまいましたわ、今宵・・・。

 帰り際に、マンダラ2の中野さんに、私の本について訊かれる。発行日の決定など申し伝える、編集者のM氏のお仕事ぶりをお話しすると、「そりゃあ、速いさ! よかったね」と笑顔でお応えが。


 2月12日、さて、いよいよ『YES』のための最終原稿チェックに向けて少々の打ち合わせ。週明けまでに、私はデータを整えるのである。それで、今回の私の作業は、全て片付く。

 今宵の晩餐はシャリアピン風ソース仕立てでポーク・ソテーを。このシャリアピンとは、ロシアのオペラ歌手、昭和11年に日本に来日した人であるが、この人が来日の際、ステーキを食べるためにリクエストしたソースが名付けて『シャリアピン・ソース』となった。その時彼が食べたステーキ用のお肉は牛肉で、豚肉ではなかったが、私はこのソースを牛肉だけでなく、豚肉にも使用する。自負させていただくなら、このシャリアピン・ステーキ、上野精養軒のものより、私のものの方が美味しいと、信じている・・・何故なら、ソースのお味が甘すぎず。今夜は特にお肉を柔らかく焼き上げることもできた。


 pic1 : 『BLOSSOM』
 pic2&3 : Miki(right) & Risa(left)


 天井に"YES"。





02:44:15 | mom | No comments | TrackBacks