Archive for 20 February 2009

20 February

ゲラとゲリラ



 咳き込んでばかりでほとんど眠れなかった。相変わらず熱は下がりきらず、37.4度。一日不動である。
 遅い朝食にクロックムッシュ。しかし、風邪薬のせいか、味覚が少し鈍っている。
 夕刻、私を気づかってチェリーが買い物に行ってくれた。もう、お夕食はスーパーのお惣菜にしようではないかということで、そして、彼がこの二日間でほぼ呑んでしまったお酒も買いに(笑)・・・「二階堂は呑みやすいからね・・・」なんて言い訳を言っているが、私など、ほんのちょっとしか呑んでいないのである。
 で、アジフライとヒレカツを食べる。ヒレカツには、ガーリック・パウダーとウスター・ソースをかけて。とんかつ屋さんでいただくヒレカツにはガーリック・パウダーはいらないが、スーパーあたりのお惣菜として売られているカツレツにはこのガーリック・パウダーをかけるとよい。少々肉が薄かったり安っぽい味のカツレツにはガーリック・パウダーを。で、ウスター・ソースであることが絶対に望ましい。

 深夜24時を過ぎた頃、デザイナーさんからメールが届く。
 私が風邪をひいている間に、もう氏はゲラをあげてくださった。
 速い! お仕事の速さにかけて定評のある方とうかがっていたが、ほぼ一日で仕上げてくださったことになる。
 週末か週明けに編集者の方と今度は再びゲラのチェック。
 風邪をひいている場合ではないのである。


 と、ここでこの記事が終わると、タイトルは『ゲラ』なんていうだけのタイトルになりそうだし、また、近頃は原稿のことばかり綴っているので、久しぶりに日常の中の出来事でも添えてみたい。

 ここのところ、私はNYに暮らすミュージシャンとメールのやり取りをしている。
 "i would love to......"で始まる彼の手紙文はクールで、媚びたところやいやらしさは感じない。言っておくが、私は男性から好意的な手紙をいただいたからといって、一々喜んでいるほど寂しい女ではない。ただ、私は彼の音楽と感性は好きである。そして、正直に言えば、彼の表面もステキではある。が、ただそれだけで手紙の交換をするわけではない。
 何だろう・・・見知らぬ相手に、自分がどのように評価されるのか、ということに興味があるのだと思うが、それは、相手の文章の書き方を読めば、ピーンと来るのである。
 例えば信用出来ないタイプ、または、苦手なタイプというと、やたらと形容の多い文体であったり、また、遠回し、或いは、女々しいイメージ・・・それは、一度お返事を差し上げ、もう、次からはお返ししない。手紙というのは、コメントなどと異なり、やはり、シークレットなものなのだ。だからして、そこにどのような書き方をするかで、相手の方の出方や実態が見える。私は正直なので、できることなら、相手にも同じような正直な言葉を望む質である。
 彼はそういう意味でとても解りやすく、含みがない。おそらく、賢いだろう。更によろしいことは、私にも家庭があるが、彼にも家庭があり、その愛するものを持っている者同士が、ただシンパシーを感じるという事情の上で、正直に対話できるという状況である。これは、心の余裕、人間的寛大、平和、そこに揺らぎのないところが良いわけだ。彼は言う、「君のことをもっとよく知りたい」と、私はそれについて、とても清潔な印象を受けた。そのような言い回しをする人は、日本人には少ないが、外国人では少なくはない。それでも、彼の言葉には、単純にクールな印象を持つにすぎず、私は快く何かを伝えようかと、思ったらしい。何故か? そう、何故か・・・それは、人というものは、やはり動物で、目に見えない感覚というものが頼りになるのだろう、そして、少なからずその人物についての情報が理解できれば、一歩、入ってみることもできる。私はこう言った、「あなたの音楽に混沌と美を感じることがある。私はそれが、好きだ」と。彼は自分の活動と経過を語った、私も自分の出版物のことなど話した。英訳されないのか、という質問には、機会があれば、と答えたが、さしあたり、このような詩を、彼に送った。



    guerrilla for the beauty


 we will be guerrilla for the beauty.
 planning in a pure valley.
 i love you who smile on the earth covered by green.

 sometimes, delicate and imaginative soul wants to hide herself.
 because otherwise she easily breaks.
 i love you who sing in ruins where the ivy twisted around.

 we will be guerrilla for the beauty.
 breathing in the quiet and innocent places.
 i love you who play/pray under the blue moon benumbed in the dark night.



 上記の詩は、私が以前このblogに綴ったものだが、これを気に入ってくれた或る外国人女性が、彼女の持つ個人的なpage(MySpaceのpageなどではない)に、私の名前と、このpoetryを掲載してくれた。勿論、彼女は、この詩をご自身のサイトに載せることに対して、私への許可を忘れはしなかった。

 そうして、映画に昨今"trailer"という呼び名があるならば、私の本『YES』のための"trailer"、または、"preview"として、上の詩が頁のどこかしらに含まれることを、あつかましくも、この場でお知らせさせていただきたい。

 また、上記の詩を書籍に掲載するにあたっての微妙なニュアンスについては、親愛なる友人N女史のサポートが私の救いであったことに感謝を込めたい。


 "i would love to......"、"i would like to......."より、身近で身軽。


 そう、"i am a instant writer"


 これから雪になるのだろうか?


 春になるには、幾つかのステップがある。
 同様に私にも、ステップが残されている。



 この記事の権利は、桜井李早にある。


 LOVE & LIGHT






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