Archive for 06 February 2009

06 February

アメジストと浅間山



 今、ストーンズが居間に流れた。『LET IT BLEED』。

        *


 アメジスト、何たる不思議。
 先日、「酔わない」と書いたけれど、それだけでなく、私の内側を清らかに洗い流してくれているみたいだ。

 数年前まで、このアメジストを指に嵌めても、感じることのできなかった神秘を今、感じる。
 恐らく、このようなことには、タイミングという、神がもたらすがごとき、見えない力があるのだろうが、西の東京に暮らす私は、浅間山の動きと、この祖母の遺してくれたアメジストのエネルギーに導かれているような気がする、この2月の始め。

 我が家のガレージは屋根付きなので、車は浅間山の火山灰によって白くなっているようなことはないが、何か空模様も不自然だし、空気の味も違う。黄砂が飛んでくる季節にも似ている。
 車を運転し、外出して、目的地に到着し、所用を済ませる。
 再び車に戻り、運転して帰宅。
 だが、その時、喉がイガイガしていることに気づく。日頃、喫煙が習慣となっている私でさえ、「あら?」と、思わざるをえない悪戯な微粒子たち。

 が、しかし、この火山灰、地球が産んだものである。
 同様に、私たち人間も、地球が産んでくれた生き物。
 そう考えると、火山灰と共存して暮らしたところで、我が人体にそれほど悪影響があるとも思えないのは私だけか・・・温泉にも、入るしね。
 だって、火山も人間も、地球に在るもの、ただ、そのエネルギーの度合いが違うだけ。 
 少々気になる火山灰だが、意識し過ぎるのも、人間のエネルギーや生存能力が微弱になりそうで、むしろ、怖い。
 あまり躯を守ってしまうと、本来の抵抗力まで落ちてしまうような気がするのである。
 うがいは、しましたがね、帰宅して。

 そして、アメジストを始め、それらの石、或は、その石が磨かれることによって美しくされた宝石たち・・・これらだって、この地球の大変革によって産まれ、存在するもの。
 
 勿論、浅間山付近に暮らす人たちのことは思わずにいられない、噴火と聞けば、軽井沢あたりなど観光客も減る。私にとって、軽井沢という土地は昔から何度も訪れ、慣れ親しんだ、愛してやまない土地なのである。
 そういえば、'73年の噴火も落ち着いた頃・・・少女の頃、鬼押出し近くで、新鮮な軽石・・・つまり、その頃噴火した浅間山の冷めた溶岩石を拾って持ち帰ったことがあった(面白がって幾つも幾つも弟と拾った)。それを家の人たちは軽石としてお風呂の片隅に置いていたことを憶えている。
 その'73年とは、私のこれまでの人生の中で、何かと仕合わせでいられることも多かった年。

 石と火山に、何か、惹かれる今日この頃。
 あの時の軽井沢・・・白糸の滝を飽きもせず見た後、峰の茶屋を越し、鬼押出しにて小さな軽石を拾った日・・・祖母が私の横にいた。
 その地上に投げ出され、冷めた欠片は、白骨のような白い石ではなく、まだ新しい青黒い物だった。
 その石たちが転がっている浅間山麓の大地の色も、同じ様に、青黒かった。
 それは真新しいアスファルトに似た色で、少女の私はこのようなことを思った記憶がある。

 ・・・人間は、何でも、自然の真似をして、物を作る・・・。

 
 '73年、少女だったこの女は、ここ数日、気が向けば宇宙を旅して過ごしてみたり。


 明日は久しぶりに腕をふるって、インド風チキンカレーでも作ろうか。
 煮込んでいる間は、宇宙に飛んで。





03:36:10 | mom | No comments | TrackBacks