Archive for 25 April 2009

25 April

"Going a-Maying"



 こんばんは、今宵はまず、お知らせをさせてくださいね。

 5月23日(土曜日)、著書『YES』の出版記念パーティー&ライヴを行うこととなりました。
 出演ミュージシャンは、青山陽一、sakana、桜井李早+桜井芳樹...(飛び入りゲストさんがあるかもしれません!)
 open / 18:00
 start / 19:00
 前売 / \2000 (ご予約は月曜日を除き、18:00以降、直接、お店の方に電話でお問い合わせください)
 当日 / \2500
 場所 / MARU(東村山市野口町1-11-3 tel 042-395-4430)

 このMARUというお店のオーナーは、実は私の編集者であられる三島悟氏なのです。
 そのような理由もあって、こちらで遣らせていただくことになったのですが、ここは、ライヴや写真展なども行う美味しいお店です。特にカレー! 吉祥寺の「まめ蔵」をご存知でいらした方ならおわかりかもしれませんが、あのようなお味(三島氏と「まめ蔵」のオーナーさんが昔からのお知り合いということもあり、MARUのカレーは「まめ蔵」譲りなのです)。

 お時間のある方は、是非、遊びにいらしてください。
 
 名付けて"Going a-Maying"なんていうタイトルにいたしました。
 "Maying"とは、五月祭のこと。西洋では新緑を愛で、夏の訪れを待つお祭りとして古くから行われてきた行事・・・音楽とお酒と共に、楽しいひと時を過ごせますように。


   *

 では、場面は変わって、"Going a-Maying"のタイトルのもと、妖精の戯言を・・・


 その朝、ロビンはコリンナに語りかけた。
「罪だよ、君。こんなに素晴らしい朝なのに、まだ君は眠っているなんて。冒涜だよ、コリンナ、世界中の女の子はウグイスよりもはやく起きて、サンザシの花を編むっていうのに」
 コリンナは、その時、森(forest)の中にいる夢をみていた。だって、乙女というものは、深い森を愛するのですもの。
「何て? 何て言ったの、ロビン?」
「起きるんだ、コリンナ、君は葉を纏った春のフローラになるんだよ、ほら、僕は君の知らない世界を描いた、君が眠っている間に、僕はたくさんの仕事をしたよ・・・」
 そう言いながらロビンは彼女に点描を見せた。
「あなたったら、いきなりな人ね。いつも、そうだわ、あなたって、皆に微笑んでいるくせに、私には・・・」
「そんなことはないさ、コリンナ。君はそれを知っているだろう? 僕は僕が君を呼ぶように、君が東の"white witch"と名乗り、僕が話しかければ"far east forest"から飛んできてくれることを知っている。だから僕は君に真っ先に会いに行く。可笑しなことだよね、どうして僕は、君のところに来てしまうんだろう? それはそもそも、ただの気紛れだったのに」
「あなたが誰にでも好かれるのは、すぐにわかったわ。八方美人という言葉があるけれど、あなたは、八方どころではなく、千人もの女の子に愛される。でも、そういうあなたが面白かった。千分の一に私が何故か成ったことは、嬉しいことだけれど。でもね、あなたが私を通りすがりにできなかった理由を、私、解るような気がするの」
「その先は言わないで、馬鹿馬鹿しいから僕がくり返そう。そうさ、君は兵士のシンボルのようだった。僕が心の底にそっと秘めていることを、君は見破ったらしい、だから、僕は君に心を許そうとしたのだろう・・・ふん、僕は、森にいるなんて、こっそり合図した・・・人はそんなこと、解らないだろう、でも、コリンナ、君にはその意味が解っているんだろうね」
「解らないフリなら、いくらでもできるわ」
「来てごらん、コリンナ。そして、見てごらん、コリンナ。あの街路を、ほら、素敵じゃないか・・・緑なす姿を、ここは、猟園のようだ! 僕は矢を放つべきだろうか? 教えてくれ、コリンナ」
「放ちなさい、そして、私を目がけてごらんなさい。きっと、その矢は私の心臓に命中するでしょう、ただし、それは、今なら。今だけ。これから先のことは、解らないわ」
 コリンナは、明け方の窓辺に立った。
 彼女はひと糸と纏わない姿で眠っていたはずだが、その時の彼女の躯には、緑色の葉が絡み、明け透けな朝陽の中で、僅かに映る桜色の肌だけが彼女が人間である証しとして少ない面積を際立たせていた。
「君はこの暮らしを変えたくないのかな?」ロビンが言った。
「それは、表向きの常套句(クリシェ)だわ」
「僕はだから、君に情熱を捧げられないのだろう」
「そんなことが、何かしら? 私はあなたの姿と形を見間違いはしない。あなたは、Robin good fellow・・・私にはそれで、十分、素敵だわ」
「それでは、僕は、君のために歌おう。"pastor song"を」
「いいえ、今は、歌わないで、私があの真っ白なサンザシの花を編み、木陰で微睡む午後、再びここに来て奏でてください。今の私はコリンナではないわ」
「今、君は、何者なの?」
「神の櫃から目覚めた、フローラ。お願い、今だけ、フローラを、放っておいて」
「罪深いコリンナ、冒涜をつづける君は、僕の精神には時々重過ぎる。だが、僕の蒼い影に寄り添う魔女は、僕と同じくらい気紛れでおおらかだ。そう、僕たちは、素朴な風習に跪き、享楽派な詩人として、世界にキッスしよう」
「ええ、ロビン、あなたが大好きよ。私たちはいつか、朝露の庭で会い、その僅かな明け方を過ぎたら、一度、お別れする。でも、どうしても、再びお会いする運命にあるのね」
「コリンナ、5月の花を摘め。何千もの乙女たちよりもはやく、僕のところに、来い」
「私は、遅れるわ」
「やはり、君は、罪深い。それでも、僕は、君を信じられるらしい」
「不思議ね」
「不可思議だ」

 北緯50度〜60度の土地に産まれ、英語とフランス語とケルティックを使い分け・・・ねえ、ロビン、私、死ぬまでの間にあなたとドラマが作れそうな予感がする。
 馬鹿と呼ばれるくらい理想主義的な詩を愛し、奢らず、人間が好きで、明け透けな反面、とても礼儀正しく、平和・・・それがあなたロビンと、コリンナである私の関係。


 LOVE & LIGHT


 週末の..* Risa *¨





03:57:37 | mom | 2 comments | TrackBacks