Complete text -- "her labors have been rewarded with good fruit...yes, virtue is her own reward..."

20 March

her labors have been rewarded with good fruit...yes, virtue is her own reward...



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 何て気持ちのいい夕べだろう・・・
 そう呟きながら、溜息をついて立ちつくしていた・・・
 今だけあれば、それでいい。

 空からは、異国を旅しているようなめくるめく音が聴こえ、少し鼻を冷やかすような風だが、私の肉体はくすぐられたり、しないのだわ。
 
 窓を開けていた。
 ガレージを履いた。
 窓から廊下を通り、玄関のドアを抜けていく風は、開いた門のところで、迷っただろう。
 私はガレージの片隅から、その様子を見ていた。
 その時、そのうねるブルーの風に混じって揺らめく微かな存在を視た。
 ひとりは長い髪をなびかせ白いチュニックを着ている、もうひとりは帽子を被ってグレーのチョッキを着ているわ・・・彼らは"good people"・・・fairy Janeとpixie CP。
 ふたりは右に行こうか、左に行こうか、一瞬思案しながら、そっと両手を重ね合わせ、空中でキスをするように近づいて、サーカスみたいに宙返りをして、腕を伸ばしながら離れ、微笑み合い、私の家の門の前から、二手に分かれていったわ。
 私は聴いた、彼らが空から流れてくる音楽にくるまれながら短い言葉を交わす声を。
「let's meet under the Hawthorn tree again!」
「yes!」
 ホーソーンの木・・・サンザシの木・・・
 春が来て、彼らはサンザシの下で踊るでしょう。
 サンザシの木の芽吹く命が、世界に幸福を与えることを夢見て。
 Janeは、彼女は生まれ変わって新たに歌うだろう。
 PCは、Ash(トネリコ)の木を素材にした楽器を奏でるだろう。
 春の大地は、幼いウグイスの鳴き声に目醒め、シロツメクサの花に祈りを込める。
 それぞれが、お互いの生命を愛し、海も、空も越えて、好きな時、好きな場所に飛んでいくわ。
 旅券はいらない。


 そんなことを想いながら過ごした、3月19日の夕刻だった。
 そうして不意に私の頭を過ったのは、1969年の今頃の光景。
 西日の当たる部屋の中で、ピアノに向かいながら、或いは「フランシーヌの場合」を歌いながら、降りてくる淡い夕闇の気配に安堵し、ベッドにもぐりこむまでの時間を、何をしようかと、生意気に思案した少女。
 あの娘のベッドの下には、サンザシの葉っぱが、忍ばせてあったのかもしれない。


 her labors have been rewarded with good fruit...yes, virtue is her own reward...


 ..* Risa *¨
 




03:17:48 | mom | | TrackBacks
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